膀胱尿管逆流

膀胱尿管逆流とは腎臓から尿管、そして膀胱(尿をためる袋)へと一方向に流れていく尿が、おしっこをするときに膀胱から尿管、腎臓へと逆戻りする状態をいいます。(矢印)。
膀胱と尿管のつなぎ目が弱いために逆戻りします。

■当科の診療の特徴

膀胱尿管逆流を見つけるには膀胱造影検査を行います。おしっこの出口から細い管をいれて行うレントゲン検査で、お子さんににとって不愉快な検査です。ほかの病院で診断がついている場合は出来るだけレントゲン写真をお送りください。
この検査で逆流の程度を軽い方から順に1~5度に分類します。膀胱尿管逆流では腎臓に異常がないかどうかが重要です。そのために腎シンチグラムという画像検査をおこないます。腎臓に異常がなく尿路感染を繰り返さない場合は、逆流が自然に消えるまで経過観察をおすすめします。
経過観察中に再度尿路感染で入院したり、腎臓に異常があるときは手術をおすすめします。
また4度や5度の強い逆流は自然に消えにいためご家族の希望があれば手術を検討します。

■当科で行う手術の特徴:三つの術式から選択します

① 小切開膀胱尿管逆流手術
逆流している尿管を膀胱とつなぎ直す手術です。
乳幼児では下腹部に3cmの小さな傷で行いますが、体型の大きな小学生では4cm以上必要とする場合もあります。
しかしいずれもパンツに隠れる体のシワにそった傷ですので成長とともにわかりにくくなります(写真)。

② 経尿道的逆流防防止術(内視鏡注入治療)
逆流の程度が軽度の場合や、ご家族が内視鏡手術治療を希望する場合は検討します。尿道から内視鏡を入れ、デフラックスとよばれる、ゼリー状の薬剤を逆流する部分に注射します。これは日帰り手術が可能で体のどこにも傷がつきません。

③ 腹腔鏡下膀胱内手術
原則4歳以降で検討します。下腹部に5mmの切開を3か所おき膀胱に内視鏡と手術器具を挿入します。炭酸ガスで膀胱を膨らまし内視鏡で膀胱内を見ながら膀胱尿管逆流手術を行います。傷が目立たず、術後の血尿が少ないといえます。

■入院期間

内視鏡注入治療は通常日帰りです。尿管膀胱新吻合術では2泊3日の入院となります。

■手術成績

膀胱尿管逆流手術(腹腔鏡手術も含む):年間に30~40名の手術を行っており、高度の逆流でもほぼ100%に近い成功率です。排尿・排便に問題のあるお子さんで再発したことがあります。
内視鏡注入治療:現在までに48名73尿管で行い80%の成功を得ていますが、3度以上の高度の逆流では約70%の成功率です。

膀胱尿管逆流パンフレット

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